結晶写真 -Crystal Photographs-

2022年〜
ゼラチンシルバープリント 作家手焼き
(Gelatin silver print | RC paper)

印画紙の上に植物や鉱石を置く。
それらは同じ元素から生まれても同じものは1つとして存在しない。
再現不可能な姿は私達のようだと思う。

Crystal Photographs#1-1
カビネ(100×111mm)Ed:1
2022年【個人蔵】

Crystal Photographs#2-1森の住人
カビネ(110×110mm) Ed:1
2022年【個人蔵】 

Crystal Photographs#2-2 闇の夜
カビネ(110×110mm) Ed:1
2022年【個人蔵】

Crystal Photographs#3-1
誰もが体の中に海を持っている
カビネ(110×110mm) Ed:1
2022年

Crystal Photographs#4-1
薔薇のような人
カビネ(109×110mm) Ed:1
2022年【個人蔵】

Crystal Photographs#4-2
アンタレスの涙
カビネ(112×110mm) Ed:1
2022年

Crystal Photographs#5-1
さざなみ
カビネ(110×110mm) Ed:1
2022年【個人蔵】

Crystal Photographs#5-2
宇宙の音 星の声
カビネ(110×110mm) Ed:1
2022年【個人蔵】

Crystal Photographs#6-1
鳥の銀河 
六切(175× 177mm)Ed:1
2022年

Crystal Photographs#7-1
季節の便り
六切(180×180mm)Ed:1
2022年

Crystal Photographs#8-1
星の生まれる処 MoktorF2.8
六切(180×180mm)Ed:1
2022年【個人蔵】

Crystal Photographs#9-1
銀河の魚
六切(180×180mm)Ed:1
2022年

Crystal Photographs#10-1
潮騒
六切(180×180mm)Ed:1
2022年

Crystal Photographs#11-1
冬の記憶
六切(176×181mm)Ed:1
2022年

Crystal Photographs#11-2
冬の花たち
六切(178×181mm)Ed:1
2022年

Crystal Photographs#12-1
紫陽花の約束 01
六切(175×175mm)
2023年

Crystal Photographs#13-1
星の歌 01
大四切(250×254mm)
2023年

Crystal Photographs#13-1
星の歌 02 
大四切(250×254mm)
2023年

Crystal Photographs#14-1
まなざし01
大四切(250×250mm)
2023年

Crystal Photographs#15-1
秘めた想い 8×10
六切 Ed:Open
2023年


この作品を作り出したのは、2021年11月に名古屋栄三越 ARTE CASAで開催した個展が大きなきっかけになっています。

2015年から肖像写真を作品として制作してきましたが、それは私にとって非常にかけがえのないものでした。それは被写体と私の「秘密の共同作業」のような経験であり、被写体の人生の背景を聴き、私自身の背景を共有し、協力して作品を構築していくプロセスでした。

この制作を通じて、人が生きる意味やその輪郭を感じてきたのです。 同時に、私は町や風景のスナップ写真を撮ることにも没頭していました。しかし、これらの即興的な写真は意識的な思考よりも先に本能で捉えられた瞬間であり、最初はそれを「作品」と認識しませんでした。

個展の構成に肖像作品とストリート写真の両方を含めることを決定した際、最初はこれらの見かけ上関連のないスタイルが交わることはないと信じていました。しかし、それらが同じ展示スペース内で構成されたとき、まるで「細い糸」が絡み合い、2つを結びつけるような繋がりを感じたのです。

「肖像作品とスナップ写真はどこか深いレベルで繋がっている。」

人々の生き方は、必ずしも私が彼女らから聞いた物語や、私が彼女らに思い描いた想像上の未来に限定されるものではないかもしれません。おそらく、彼女らの本質はすでに周囲の風景の中に埋め込まれているのだと思います。

秋の木の葉が落ちるとき、誰かが市場で買い物をするとき、あなたが私の目を見つめるとき、これらの瞬間に、私たちがここに至るまでの背景と理由が織り交ぜられているのが見えます。

この認識は作品内の分類を解体させ、私は肖像とストリート写真の間に見えた「細い糸」を織り交ぜるようになりました。このインスピレーションを形にする探求の中で、私は暗室を構築し、フォトグラムやソラリゼーションといった技術を用いて作品に命を吹き込むことを始めました。

The creation of this body of work was greatly inspired by my solo exhibition held at ARTE CASA, Nagoya Sakaemachi Mitsukoshi in November 2021.

While I have been creating portrait photographs since 2015, it has been an exceptionally invaluable endeavor. It resembled an “secret collaboration” between the subject and me, where I listened to the subject’s life story, shared my own background, and collaboratively constructed pieces.

Through those creative processes, I could explore the meaning of life and its contours. Simultaneously, I was deeply engrossed in capturing spontaneous snapshots of towns and landscapes.

However, these impromptu shots, captured instinctively before conscious thought, I wasn’t recognize as “artworks” at first time.

When deciding to include both portrait pieces and street photographs in the solo exhibition’s composition, initially, I believed these seemingly unrelated styles wouldn’t intersect. However, when curated within the same exhibition space, it felt like “thin threads” intertwining and connect the two.

“The portrait pieces and snapshot photographs are somehow connected at a profound level.”

This recognition dismantled the classification within the works, leading me to interweave the “thin threads” that emerged between portrait and street photography. In the pursuit of giving shape to this inspiration, I constructed a darkroom and began using techniques like photogram and solarization to breathe life into the artworks.